2013年(平成25年) 

皇紀2673年 巳年 

新年
あけましておめでとうございます。


年の初めといえば初詣。神社へ初詣に出かける方も多いことでしょう。

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初詣が習慣化したのはそれほど古い時代ではないらしい。明治時代中期のこととされている。


元々は「年籠り」(としこもり、としごもり)と言い、家長が祈願のために大晦日の夜から元日の朝にかけて氏神の社に籠る習慣であったようだ。

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やがて年籠りは、大晦日の夜の「除夜詣」と元日の朝の「元日詣」との2つに分かれ、元日詣が今日の初詣の原形となった。


江戸時代末期までは氏神またはその年の恵方の方角の社寺に詣でること(恵方詣り)が多かったのだが、明治以降では氏神や恵方とは関係なく有名な寺社への参詣が普通になっている。


初詣は鉄道網の発展による賜物


明治時代初期までは恵方詣りの風習が残っていたようだが、京阪神において電鉄会社が沿線の神社仏閣をてんでんばらばらに「今年の恵方は○○だ」と宣伝し始めたために、本来の恵方ではない神社仏閣にも詣でるようになり、恵方の意味が薄れ、有名な神社仏閣にお参りするようになったといわれている。

関東においても、京成電鉄や京浜急行電鉄、成田鉄道(現・JR成田線)など、参拝客輸送を目的として開業された鉄道会社が存在する。


基本的に「年籠り」形式を踏まず、単に寺社に「元日詣」を行うだけの初詣は明治以降広まった新しい風習であり、それも鉄道網の発展による賜物という。


参拝の作法


皆さんはこの柏手の正しいやり方をご存知ですか?

拝殿の前で二礼二拍手一礼 (2拝2拍手1拝)

「柏手(かしわで)を打つ」と言います。

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「二礼二拍手」
二拍手では、まず両手を合わせ、右手を左手より少し下にずらします。これは左手が“陽”=“霊”を表し、右手が“陰”=“体”を表すため。右手を下に引くことで“体”が“霊”を敬うことを表します。
日本人にとって「手を打つ」ということには深い意味があるようですね。



参拝の作法を全然知らなかったら、“非常識な人”と思われてしまう。
そのことから、私はつぎことを想い出した。

何年か前のこと、プロ野球パ・リーグ強豪球団の前監督は、キャンプイン直前に訪れた神社での必勝祈願で、球団の参拝先導役を努めた。

その時の柏手の作法をみて私は驚愕した。
人を呼んだり、今ここにいるよ、ということを知らせたりするときのような拍手、つまり手を叩く拍手をしていたのだ。


ある女性大物歌手は一年前のバラエティー番組の中で、初詣のエピソードを披露。

先日、神社へ仲間で繰り出し土産にお守りやお札?をまとめ買いしたので値引きを要求したとか。
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本人によると、後日周囲の人に教えられはじめて知った、ご法度だったと釈明していた。そもそも神社は商売ではなく、授与品をお分けしている訳なのですから、まったくの無知ですね。



この二つのエピソードから、過去にも顰蹙(ひんしゅく)を買ってしまった例として忘れられない出来事がある。


平成10年(1998)2月、長野オリンピックで女子スキー初の金メダルを獲得した、女子モーグルの里谷多英選手(現在フジテレビ所属)だ。



里谷選手は、表彰台で日の丸の国旗掲揚のとき帽子をかぶったまま取らなかった。
三位のノルウェーの選手と二位ドイツの選手は、即座に帽子を取ってきちんと胸に当て、君が代を聞きながら国旗を仰いでいた。この三人の対照的な姿が、テレビに映し出されたため物議を醸した。

この里谷選手の振る舞いに対して日本オリンピック委員会に抗議が殺到、長野オリンピック日本選手団長の八木祐四郎は陳謝した。
 


国際化していく中で、最低限の礼儀を知らずに育った“非常識な日本人”

世界を渡り歩けば、世界中で恥をかくことになる。

特に、一流のアスリートをはじめ、スポーツ界・芸能界、各界で、それなりの地位にいる方々は、社会的に影響力があるので自覚してもらいたいものだ。


さて 気分を変えて

これから初詣に出かける方も多いことでしょう。

参拝マナーをしっかり覚え、これまでとは違う厳かな新年を迎えてみてはいかがでしょうか?